Course│「アース・モンダミンカップ」を支える地道な取組み

2012年から毎年開催されている「アース・モンダミンカップ」。10回の歴史を誇り、毎年多くの女子プロによる熱戦が繰り広げられると共に、多くの観客が来場されます。その運営の裏側では、カメリアヒルズならではの様々な取組や努力が積み重ねられており、それがあるからこそ大会の成功を支えているといえるでしょう。今回「アース・モンダミンカップ」運営の裏側や、コースを整備・運営するグリーンキーパーの視点から見た、コースの特徴などについて、廣部さんにお話しをうかがいました。


「アース・モンダミンカップ」高額入場料の原点はマスターズ

「アース・モンダミンカップ」が目指している一つの理想形が、マスターズ。国内で開催される多くの大会の運営費は、スポンサーからの広告費に頼っていますが、マスターズのような国際大会の場合、大会自体が事業=ビジネスとして成立するような仕組みになっているわけです。そこで「アース・モンダミンカップ」も広告費だけに頼るのではなく、一つのビジネスとして成立させるために、入場料としてはかなり高額な「1万円」に設定されています。さらにVIP用観戦席が50席設けられていますが、こちらに関しては「1席5万円」に設定されています。

これだけの高額設定故、ご利用いただくお客様に対してはその金額以上の価値を提供するためのサービスを心掛けています。大会期間中、藤田観光グループのスタッフの協力を得ながら、特にVIP席利用者には専属スタッフがサポート。また一般の方も無料で飲食ができるようになっており、食事に関しても「美味しい」と好評をいただいております。

戦略性の高いコースへ徐々に変貌

「アース・モンダミンカップ」において、好プレーを引き出す為、コース設定やメンテナンスに日頃から注力しています。

毎年のようにグリーンの改修工事を行なったり、大会期間中、ラフの芝の長さを普段40ミリのところを80ミリに伸ばし、通常9.5フィートを目安としているグリーンスピードも大会期間中は12フィートの高速グリーンに仕上げ、普段とは異なる仕様にして難易度を高めています。このようなセッテイングの変更により大会中のハイレベルな戦いを支えています。

ベストコンディションを保つ綿密な準備

毎年6月に「アース・モンダミンカップ」が開催されるため、およそ半年前から準備を進め、大会時にベストコンディションになるように各種作業をコントロールしています。天候はこれまでのデータと照らし合わせ、その年の気象状況によって調整しながら対応しています。

カメリアヒルズはプロトーナメントだけを行うコースではありません。近年ではゲリラ豪雨が多発し、頻繁にバンカーの砂は流され、また台風による倒木や落葉などの被害も発生します。そうした状況からいち早く復旧するための処理を行えるよう体制を整え、お客様が気持ちよく利用できるよう丁寧な作業を日々心掛けています。

ボールロストのない、美しいコースを維持したい

カメリアヒルズでは17名のコース管理スタッフが在籍し、日々管理を行っています。「アース・モンダミンカップ」の開催前や期間中に関しては、他のゴルフ場から応援スタッフを派遣して頂き、万全のサポートで大会に臨みます。目指しているのは、ボールロストすることがないコース作り。隅々まで芝の管理が行き届いた、美しい環境を維持し続けること。

今後さらに芝の質をよくするために、良質な土壌づくりにも取り組んでいます。1年や2年ですぐ効果が出るわけではありませんが、地道な土壌改良を継続していくことによって、少しずつ理想の芝にしていくことを目指しています。

取材後記

接待用コースでありながら、トーナメントを開催しているカメリアヒルズカントリークラブ。接待とトーナメントという真逆のコース設定にはどのような苦労があるのだろうか、今回の取材で明らかにしたい部分のひとつでした。

相反するコースセッティングの為に、目標から逆算したプランニング、そしてこれまで蓄積された豊富なデータを駆使し、コース管理課スタッフの弛まぬ努力の賜物のおかげということに感銘を受けました。

半年前からトーナメントの準備をスタートさせるが、トーナメント開催まではすべてのゴルファーがストレスなくプレーできるコース環境を維持する。アース製薬さんやJLPGAの高い要求にも答えることが出来るカメリアヒルズカントリークラブだからこそ成せる技です。

そして「アース・モンダミンカップ」の目指している理想形が「マスターズ」ということも驚きでした。また「マスターズ」という高い目標を掲げることで、それに向かって日々努力をしていくという強い決意も廣部グリーンキーパーの言葉からひしひしと伝わってきました。去年よりも今年、そして今年よりも未来、常にコースが進化し、更に良くなっていくという期待をせずにはいられないカメリアヒルズカントリークラブは、プレーするアマチュア、そしてプロのゴルファーにワクワク感を与えられる数少ないコースのひとつなのでしょう。